特別寄稿コラム「タイジロード」
タイジロード No.6 「オレだよオレ、オレ」
タイジロード No.6 「オレだよオレ、オレ」
ついに数か月ぶりに声を取り戻した僕。しかし、声が出せるようになったら、まずやりたくなる事と言えば…そう、電話!当時はまだ携帯電話が普及していなかったので、車椅子に乗せてもらって病院の公衆電話へGO!さっそく仲のいい友達に電話をかけてみることに。
1人目。「プルルルル、プルルルル…。」留守かぁ。
2人目。「プルルルル、プルルルル…。」また留守かぁ。
3人目。「プルルルル、プルルルル…。」なんだよ!みんなドコ行ってんだよぉ!
週末の午後3時すぎ、なかなか家にいる人がおらず、予想外の大苦戦。
くそぉ~、頼むよ4人目!「プルルルル、プルルルル…。」
今度もダメかと諦めかけたその瞬間「ガチャ はい。もしもし。」ついにでたぁぁ~!!
電話の向こうは、間違いなくサッカー部の親友オーくんでした。オーくんは「ボイスパーカッション喋り」の聞き取りが苦手だった数少ない勘の良くないタイプ。おまけに今の自分は変声だしこれは丁度いい!と、即ターゲットON!
タイ:「もしもし、オーくん?オレだよオレ、オレ。何してたの?」
オー:「うん。え~、別に何もしてなかったけど…。(戸惑う声)」
よっしゃー!気づいてなさそう!笑いをこらえながらさらに畳みかけます。
タイ:「誰だかわかる?オレだって、オレ!」
オー:「あっ、うん。えぇ~…?」
頭が「?」だらけの様子に、ニヤニヤが止まらない!
タイ:「こないだ会ったばっかじゃん。」、「同じ学校だろ。」、「サッカー部で一緒じゃん。」
ここまでヒントを出せば、勘の悪いオーくんもピンときたよう。
オー:「うえぇー!もしかしてタイ!?声、出るようになったの?」
タイ:「そう。今日、呼吸器取れたぜ!」
オー:「マジかよぉ~!よかったじゃ~ん。」
タイ:「声出るようになったから電話してるんだけど、オーくんが一番乗りだよ!」
オー:「おぉー!やった!じゃあまた病院行くよ!」
タイ:「おう!まってるぜー!」
世の中に「オレオレ詐欺」という言葉が生まれるよりも一足先に、オーくんは見事「オレだよオレ、オレ」の餌食になったのでした!
タイジロウ


