院長先生のブログ
悲しいRS物語
悲しいRS物語
寝る間も惜しんで研修医をした怒涛の1995-1997はRSウイルスが猛威をふるった季節でした。
RSウイルスは風邪ウイルスの一種ですが、乳児(特に1歳未満)に感染すると、肺炎にはなるし、中耳炎にはなるし、何と言っても【呼吸抑制】が来ます。
RSウイルス=呼吸抑制➡突然死
というくらい小児科医の中では恐れられています。
当直をしていて、一晩にRSウイルスの呼吸抑制で3人の赤ちゃんに気管挿管をして呼吸器管理したことがあります。一晩にですよ。
(おそらく、病棟突然死の症例はRSウイルスが原因のことが多いのであろうと推測できます。)
日赤病院でもRSウイルスによる乳児死亡のCPC(臨床病児カンファレンス)を複数回受け持ったことがあります。
RSウイルスは乳児にとって、最も重要なウイルスです!
RSウイルスは気管支上皮を傷害して、軽快していくので、RS感染後に喘息が発症することも多いです。
恐ろしいウイルスに違いありませんし、何と言って予防接種もありませんし、特効薬もありません。
何度もかかりますが、2回目以降の症状は軽くなります。(しかし、昨年は新型コロナでRSは流行りませんでした。今年が初感染なのでしょう。)
乳幼児の鼻水、飛沫にウイルスはたくさんいて、子ども同士がぺたぺたと接触感染、飛沫感染していると思われます。
乳児にとっては、新型コロナウイルスより、怖いものですよ。
お気をつけくださいね。