院長先生のブログ
親からもらった腎臓だから、大事に使う。
親からもらった腎臓だから、大事に使う。
今日もいい一日です。
昔のお話です。昔の国立小児病院(現在、国立成育医療センター)での話です。
10代女性ですが、A子さんとします。彼女は抗アレルギー剤や抗不安薬、睡眠薬、ピル、安定剤、サプリメントなどたくさんの薬を内服していました。ある日風邪をひいて、抗生物質など多数の内服を開始してから、一気に腎機能・肝機能が悪化し、人工透析となってしまいました。もともとの肝機能や腎機能の詳細は不明。
(中略)
母親からもらった腎臓移植が成功して透析からは免れました。
しかし、1日たった6gのキツイ塩分制限と免疫抑制剤を飲む毎日となりました。
ですが、彼女はどうしても必要な免疫抑制剤以外は飲まないという強い覚悟で生きていました。
「今まで私は必要のない薬をたくさん飲んでしまって肝臓も腎臓もダメにしちゃった。だから、せっかく親からもらった腎臓を今度こそはダメにしたくない。でもよく考えると肝臓も腎臓もこの体、全体はもともと親からもらったものだから同じことだよね。大切にしなきゃね。」と言いました。
ふと、上記のような昔のエピソードを思い出したのです。
皆さんは必要のない薬を飲んでいませんか?どうしても必要なら飲んでください。ただ、漠然と同じような作用の薬を何種類も飲んでいる人がいます。一部の薬剤には依存症や離脱症状が出ることがあります。よく主治医と相談して内服を続けてください。親からもらった体を大切にしてください。それが自分を親を大切にするということです。