院長先生のブログ
おむつの神様
おむつの神様
上越総合病院で小児科一人医長をしていた頃の話。毎日一人で外来やって病棟回診、検査、健診、ワクチン、当直など、異常な忙しさでした。365日ずっと責任感をもって、出来る範囲で地域を守る、などと若さゆえに張り切っていました。
ある日、午後外来が長引いて、けいれん児の救急車が立て込んで、入院指示などを出して、CT、髄液検査等、結果説明を家族にして落ち着いてきた頃、真夜中に帰宅。
帰宅すると、生まれたばかりの自分の娘が泣いています。おしめを替えたと同時に病院からコール。「生まれたベビーがぐったりして泣かない」と緊急コール。仮死かな、低血糖かな、脳出血かな、と鑑別診断を考えながら、指示を出しつつ、再び病院にとんぼ返り。
ベビーを安定させて再度帰宅すると朝の7時でちょうど朝食の支度をしている奥さんが言うのです。
「昨日の夜遅く、誰かが部屋に入って来て、赤ちゃんのおむつを替えて、そして出て行った」と。
う~ん。返答に困りました。
「それはきっと伝説のおむつの神様でしょ。おむつの神様は疲れたママのところに行って、無言でおしめを替えて、そして出ていく。いい神様なんだよ。」と言いました。