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長岡市小児科 キャッツこどもクリニック 日曜診療あり

書家は恐ろしい

 

書家は恐ろしい

 

今日もいい一日です。よきよき。ご機嫌です。

 

先日、実家に帰ると年老いた父が墨で卒業証書を書いていました。地元小学校の7人の卒業生のための7枚の卒業証書を書いていました。

 

父は昔から、市内の卒業証書や表彰状をボランティアで書いており、書は上手だと思います。(どういういきさつで書を覚えたのか、よくわかりません。行きずりの流しの書道家に習った、とかあいまいなことをいっていました。)(ちなみに私も書はうまいです。本気出してないだけです。カルテは汚いですが、電子カルテなので後でも読めるようになっています)

 

で、2階の部屋にこもっている父の部屋を覗くと何枚も何枚も同じ卒業生の名前の卒業証書があります。

「なんで、おなじ卒業証書が何枚もあるの?ここに卒業生の名前を書くだけでしょ」と私が問いました。

「な、なんでだろう?」ととぼけた父がいいました。(あ、ボケがはじまったか?と思いました、が違いました。)

そして、「ああ、気に入らないから、なんども書き直している」と父が言いました。

「あ、この字が気に入らないのね」と私がいうと、

「違う!」といいました。そして「はて、どこが気に入らないんだろう?」と父が考え始めました。(知らねえよ)

 

沈黙。(私に言わせれば、みんなすべて上手に書けています。)

 

「そうそう。ここ。ここ。ここが気に入らない」と父がさけびながら、りっしんべんの右脇の一部かすれた部分を指さしました。(「ちっさ!」)

そして「ここのカスレが気に入らない」となんども書き直しています。

(誰もみてねえよ、と心の中で叫びました)

 

卒業証書はそんなふうに大切に作られています。

たった7枚の卒業証書に何百枚も練習している80代の素人書家の父。

 

挙句の先に「いい筆が無くなってきたから、いい字が書けない!!」と言い張ります。

(いやいや、筆も大事だけれど・・・。向上心がハンパないぜ!参りました。)

 

書家というのはおそろしいな。

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